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アルベール・カミュ「異邦人」読了

十数年ぶりに、カミュの「異邦人」を読む。
ストーリーはほとんど忘れていた。
アラン・ドロンの映画「太陽がいっぱい」や
(原作ハイスミスのリプリーは未読)
スティーブン・キングの「グリーンマイル」や
カフカの「審判」がごちゃ混ぜの記憶しかない。
たぶん、当時罪人をテーマに手当たり次第
併読していたんじゃないだろか?

サルトルの「嘔吐」とカミュの「異邦人」を
比較したくて読んだ訳ではない。
サルトル―カミュ論争自体知らないことだった。
ただ、嘔吐の主人公ロカンタンに
異邦人という言葉が浮かんだから。
そしてあたし自身も、いつも異邦人として
自分を考える傾向があったからかもしれない。
結果として、ロカンタンとムルソーを
比較してみたくはなるのだけど。

作品の比較研究は専門家の言う通りだろうから
そんなことについてはどうでもいい。
あたしが感じたこと。
ロカンタンは"実存"に気付かない人々に
冷笑的でもあり、憎んでもいるが
それを口に出したりしない。
ムルソーは、他人について批判めいた感想は持たない。
天然か?というくらい自分に嘘をつこうとしない。
あたしはふたりのあいのこくらいかもしれない。
と、感傷的にならないよう気を付けながら考える。
どちらが良いとかいうこともどうでもいい。
あたしの興味は、ロカンタンやムルソーのような
人々から自分はなにを学ぶか?ということ。


余談。
古書店秀画堂の友人から譲り受けた「異邦人」は
昭和四十五年 三十七刷。
巻末に、元の持ち主の購入日らしき日付と署名が、
万年筆の青インクで走り書きしてある。
持ち主は女性。
第二部、獄中のムルソーが読んだ古新聞の記事。
チェコスロバキアの事件について、殺された息子は
母親にそんなからかいをすべきでなかったという
ムルソーの考えに、傍線が引かれていた。
劇中劇のようなこの数行の事件について、
着目した達筆な女性読書家に、好感を持った。



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by hitsuji_yu | 2013-03-31 13:54 |


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