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葉隠と蝶々夫人

”恋の至極は忍恋と見立て申し候。
逢ひてからは、恋の長けが低し。
一生忍びて思ひ死にするこそ、恋の本意なれ。
歌に
「恋しなん のちの煙にそれとしれ
つゐに もらさぬ なかのおもひを」
これこそたけ高き恋なれと申し候。”

そう言って、蝶々夫人は自決したか?
それはよくわからない。
昨夜NHKドラマで見た蝶々さんは
そういう脚本だった。
原作もオペラも見たことはない。

蝶々夫人は創作の物語とされている。
1. アメリカの弁護士ジョン・ルーサー・ロング の短編 小説
2. 1.をもとに制作されたアメリカの劇作家 デーヴィッ ド・ベラスコの同名の戯曲。
3. 1.2.をもとに制作されたジャコモ・プッチーニ作曲 の同名のオペラ。

物語の読み取り方は、色々あるはず。
お涙頂戴の耳障りの良い悲劇。
彼女の死を高潔と美化するか?
一途な思いといじらしさ
馬鹿だと笑うか?
裏切られた男への当てつけ?
女の意地或いは情念

現代なら負け組と称される
彼女の生き方。
でもなんとなく、先の先読みと覚悟。
そんなのを感じなくもない。
いわば覚りの境地。
彼女が点の視点でなく、
ものごとの全体像を見ていたと
思いたい気がする。

そうすれば、葉隠の武士道が
ありありと意味を持って
浮かび上がるはず。


身捨ててこそ 浮かぶ瀬もあれ





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by hitsuji_yu | 2011-11-27 17:58 |


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