たとえばの話
「たとえば、僕もユキさんも
言葉側の人間なんですよ。」
とセンセーは言った。
ああ なるほどね。
と思う。
写真教室をしてもらって半年経った。
あたしとセンセーが実習や、コンタクトの検証と
同じくらいに時間を費やしてきたことは、
写真技術の話しというよりも、
いわばブンガク的な語り合いだ。
あたしが普段考えていることは、
過去のブログ記事でもある
『言葉にできないことについて』
『「好み」はどこからやってくるのか?』
というようなことだ。
あたしはそれを検証するツールとして
カメラを選んだに過ぎない。
そういう意味で、センセーは「言葉側の人間」
と言ったのだろうと思う。
街を歩く、つら~と辺りを見回す「あ。」と思う。
その「あ。」は、好きな作家達が、
繰り返し文章にしてきてた種類の事だ。
初冬の夕暮れの空気の匂いだとか、
乗った電車が二度も同じ駅に到着するような錯覚とか、
自分とは無縁の町並みや人に感じる郷愁とか、
そういうつまんないけど、何か心に残る体験。
それら自分の好む種類の事柄の
法則性のようなものがあるならば、
それが知りたい。
それがあたしの写真の出発点だ。
街が作る幾何学的な線の形、
人々のバラケ方。
好きの基準は、あたしが決定している訳じゃない。
変えようのないことだし、厳密だ。
他人から干渉されることもない
言わばサンクチュアリのような場所で
決定付けられ、自意識としてのあたしに
指示されることだ。
他人にも、自分にも変えようのないこと。
それはあたし個人特有のもののようでいて、
動物としての人間、或いは
日本人として、生命体として
普遍的なもののようでもある。
◆追記
あたしもセンセーも、
一枚の写真について、
主被写体をどう写すか?とか、
構図としてどうだとか、
ジャーナリスティックな視点や
風刺が効いてるかどうか?
という話しはあまりしない。
あたし好みの傾向と、
写ったものが一致しているか?
あたしの好む線は写っているか?
人物のバラケ方は美しいか?
とても曖昧なものを基準に
写真を選別し、検証する。
けれども不思議なことに、
あたしがOKと思った写真には、
何も言わなくても
ほとんど99%くらいの確立で
センセーも同じものを選ぶ。
だから信頼している。
それは、彼が元々持っている資質
もかなり大きいけれど、
とりもなおさず
あたしがやろうとしている事、
真摯に話を聞き、理解しようと
してくれた証なのだと思う。
*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*
◇フィルムカメラで撮影した
昭和風情漂うモノクロスナップを公開中
↓↓ click here ↓↓
ひつじ湯 flickr Ver.
http://www.flickr.com/photos/hitsuji_yu/
◇にほんブログ村 スナップ写真に参加しています
↓↓ click here ↓↓
にほんブログ村
*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*
by hitsuji_yu
| 2012-01-29 15:38
| 写真
写真を中心に、映画・本・音楽・飯、、、日々思うことなど
by yuki
S | M | T | W | T | F | S |
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |
ブログパーツ
カテゴリ
全体写真
本
映画
飯
雑
未分類
お気に入りブログ
M k Cool Pic...Go go paradise
古今東西風俗散歩(移転し...
東京雑派 TOKYO ...
ごく私的アングル
ビリー・ザ・カメラ
撮らずには、いられない。
井戸人別館【東京翠影】
kusobaes
moroyanのドタバタ...
At any time...
ひととひかり
dearly days ...
写真で、一息、暇つぶし・・・
私的な時間。
銀塩カメラ馬鹿一代